強制性交・準強制性交
背景
性的な犯罪の被害者と非性的な犯罪の被害者の間で被害者非難とネガティブな社会的反応に相違があるのかを検討するために作成されたシナリオです。「手段」(暴行 / 強迫)と「行為の性質」(性的 / 非性的)との組み合わせで対応する罪種を選び(下の図をご参照ください)、それぞれシナリオを作成しました。
シナリオ内容
《共通部分》
ある金曜日の夜,Aさん(女性,25歳)はバーに行き,そこでBさん(男性,25歳)と知り合いになりました。2,3時間ほど話す中で彼の感じの良い話し方に気を許し,好感を持ったAさんは,自宅で飲みなおすことを提案しました。その後,二人は彼女のアパートに移動し,再びお酒を飲み始めました。
《条件部分》(上の文章の下に追加します)
罪種 | 記述 |
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強制性交 | |
お酒が進むにつれ二人は互いのプライベートに関する話をするようになりました。そして,次第に話題が性的なものへと移っていく中で気分が高まった二人はソファーへと移動し,どちらからともなくキスをすると,互いの身体を触り始めました。このような状態がしばらく続きましたが,Aさんは思いのほかBさんの行為が乱暴であると感じました。乱暴に扱われるのが嫌いなAさんは盛り上がっていた気分が一気に冷め,あなたは私のタイプではない,もうやめにしてほしいとBさんに伝えました。しかし,それに怒ったBさんは,嫌がるAさんを力づくで押さえつけ抵抗できないようにすると,Aさんの着ていた衣類をはぎ取り,そのまま無理やり性交に及びました。 BさんがAさんのアパートから立ち去った後,Aさんはすぐに警察に通報しました。警察はものの数分で到着し,Aさんのアパート付近の捜索を開始しました。そうしたところ,現場からそれほど離れていない場所で怪しい行動をしていたBさんが容疑者として確保されました。警察がBさんを取り調べたところ,自分が犯人であると白状したので,Bさんは逮捕されました。 | |
強盗 | |
お酒が進むにつれ二人は互いのプライベートに関する話をするようになりました。そして、次第に話題が性的なものへと移っていく中で気分が高まった二人はソファーへと移動し、どちらからともなくキスをすると、互いの身体を触り始めました。このような状態がしばらく続きましたが,Aさんは思いのほかBさんの行為が乱暴であると感じました。乱暴に扱われるのが嫌いなAさんは盛り上がっていた気分が一気に冷め,あなたは私のタイプではない,もうやめにしてほしいとBさんに伝えました。しかし,それに怒ったBさんは,嫌がるAさんを力づくで押さえつけ抵抗できないようにすると,彼女の財布をあさり,約3万円の現金とクレジットカードを奪いました。 BさんがAさんのアパートから立ち去った後,Aさんはすぐに警察に通報しました。警察はものの数分で到着し,Aさんのアパート付近の捜索を開始しました。そうしたところ,現場からそれほど離れていない場所で怪しい行動をしていたBさんが容疑者として確保されました。警察がBさんを取り調べたところ,自分が犯人であると白状したので,Bさんは逮捕されました。 | |
準強制性交 | |
しばらくするとAさんはお手洗いに行くため席を立ちました。その隙にBさんはたまたま持ち歩いていた睡眠薬をAさんのお酒の中に入れました。戻ってきたAさんは気づかずにそのお酒を飲み続けました。しばらくして薬がまわったAさんは,眠くなったのかソファーに移動し,眠り始めました。これを見たBさんは,一度は声をかけたり,体をゆするなどして起こそうとする素振りを見せましたが,目を覚まさないのでチャンスと思い,Aさんの体を大胆に触り始めました。それでもAさんは目を覚まさないので,それをいいことにAさんと性交に及びました。 ことが済んだ後,Bさんはアパートを立ち去りましたが,目を覚ましたAさんは自分の服が乱れていることや体液が体についていたことから,被害にあったと考え,すぐに警察に通報しました。警察はものの数分で到着し,Aさんのアパート付近の捜索を開始しました。そうしたところ,現場からそれほど離れていない場所で怪しい行動をしていたBさんが容疑者として確保されました。警察がBさんを取り調べたところ,自分が犯人であると白状したので,Bさんは逮捕されました。 | |
昏睡強盗 | |
しばらくするとAさんはお手洗いに行くため席を立ちました。その隙にBさんはたまたま持ち歩いていた睡眠薬をAさんのお酒の中に入れました。戻ってきたAさんは気づかずにそのお酒を飲み続けました。しばらくして薬がまわったAさんは,眠くなったのかソファーに移動し,眠り始めました。これを見たBさんは,一度は声をかけたり,体をゆするなどして起こそうとする素振りを見せましたが,目を覚まさないのでチャンスと思い,Aさんのバッグを探り始めました。それでもAさんは目を覚まさないので,それをいいことに中に入っていた現金約3万円とクレジットカードを奪いました。 ことが済んだ後,Bさんはアパートを立ち去りましたが,目を覚ましたAさんは自分の財布の中身がなくなっていることに気づき,すぐに警察に通報しました。警察はものの数分で到着し,Aさんのアパート付近の捜索を開始しました。そうしたところ,現場からそれほど離れていない場所で怪しい行動をしていたBさんが容疑者として確保されました。警察がBさんを取り調べたところ,自分が犯人であると白状したので,Bさんは逮捕されました。 |