刑事司法参加
背景
市民が刑事司法にどの程度参加しているかを測定する項目です。刑事司法参加は,「刑事司法システムでとられる行動に,直接的または間接的に影響を及ぼすことを意図してなされる活動,または結果として影響する活動(activity that is intended to or has the consequence of affecting, either directly or indirectly, the action of the criminal justice system)」と定義されています。これはVerba et al.(1995)の政治参加の定義を転用したものです。
最初の研究では,各活動を行なった回数を尋ねる形式にしていました。しかし,圧倒的多数の人はどの行動も行なっておらず,具体的な回数を尋ねても分析で加味することは難しいと判断し,その後の研究では各活動をしたことが「あるか/ないか」の二値で尋ねています(ただし,研究の目的によっては回数で尋ねることも可能と思いますので,その場合の教示文も下に掲載しておきます)。
教示文
あなたは過去1年の間に以下のようなことをしたことがありますか。「ある」か「ない」かでお答えください。なお,以下の項目の中に含まれる「犯罪問題」については,「被害者・犯罪者の支援」,「犯罪者の処罰をどうするか」,「防犯活動」といった幅広い問題を含むものとしてお答えください。
選択肢
- ある
- ない
項目内容(9項目)
犯罪問題についての陳情書などに(対面またはオンライン上で)署名したこと |
犯罪問題についてのデモなどの集会に参加したこと |
犯罪問題に力を入れている団体や政治家に寄付をしたこと |
犯罪問題について,公職者(警察官などの公務員や国会議員などの政治家など)に会ったり,連絡をとったりしたこと |
犯罪問題について考えて,選挙で投票先を選んだこと |
自分が住む地域の犯罪問題に取り組む団体・組織(防犯団体など)に参加したこと |
SNS(ツイッターやフェイスブックなど)で,犯罪問題について思ったことを書き込んだこと |
犯罪問題について,SNS(ツイッターやフェイスブックなど)で,人から回ってきた情報や意見を(リツイートやシェアで)拡散したこと |
犯罪問題について,行政などの機関に,メールや手紙,電話などで苦情や要望を入れたこと |
当初の教示文
(太字の箇所が新しい教示文では変更・削除されている箇所です)
あなたは過去1年の間に以下のようなことをしたことがありますか。各項目ごとに過去1年で行った回数を入力してください。1度もしたことがない場合は「0」と入力してください。10回以上の場合は「99」と入力してください。正確な回数が思い出せない場合は,確信が持てる範囲で入力してください(たとえば,「3回から5回」である場合には,「3」と入力してください)。なお,以下の項目の中に含まれる「犯罪問題」については,「被害者・犯罪者の支援」,「犯罪者の処罰をどうするか」,「防犯活動」といった幅広い問題を含むものとしてお答えください。
出典
- Verba, S., Schlozman, K. L., & Brady, H. E. (1995).
Voice and equality: Civic voluntarism in American politics . Harvard University Press. - Mukai, T., Matsuki, Y., Yuyama, Y., & Watamura, E. (2023). Criminal justice participation among Japanese adults: A preliminary study. International Journal of Law, Crime and Justice.